rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

ブルーに生まれついて

の、呪い? コレは何かの呪いなの!? というくらい強烈な結界が店の周囲に張り巡らされた1日でありました。結界を突き破ってご入店くださった貴重な貴重なお客さまに心からの感謝を捧げます。ありがとうございます。
本日ご来店くださったお客さまに宇宙レベルのよいことがありますように。
みなさまに世界中の富が集中しますように。

今日がこんなことになるとは知る由もなかった昨日の定休日、観てきました『ブルーに生まれついて』イーサン・ホークがキャリア後期のチェット・ベイカーを演じるとあって、数年前にチェットの伝記『終わりなき闇』を読んであまりの救いのなさにメンタルがズブズブと底なし沼に沈んでいった身としては興味津々、いったいどれほどゲスでクズなチェットをスクリーンで観ることができるのだろうとドス黒い期待に胸膨らませていたのですが、いやー裏切られた。チェットいいやつ。ちょっと自制が利かないとこあるだけで、向上心と優しさに満ちあふれた愛すべき人物に仕上がっていました。
たしかに伝記を読んでもこの時期のチェットは他の時期とはひと味ちがう、彼らしからぬやる気がみなぎっていた時期ではあるのですが、さすがにそこは劇映画。史実の部分をうまく拾いながらも、チェットを決して「悪魔」にしない、私たちにとって共感可能な人物として描いてみせたところ、うまいなーと思いました。もちろん、そこ食い足りないって言っちゃうこともできるんですけど。でもこれ手加減なしでやったら絶対映画館出るとき気分悪くなってるだろうしなあ。
イーサン・ホークの名演だけでも一見の価値ある映画です。ヒロインのジェーンさんもいい仕事してます。マイルス役の俳優さんはむしろウェイン・ショーターに似ていると思います(えーと、肌の質感が)。この映画だけでも充分満足できる内容ですが、もし万が一、その先の地獄をご覧になりたい方がいらっしゃったら彼の伝記『終わりなき闇』をぜひ。まず確実に一皮むけます。「周囲の人間すべてをヤク中の奈落に引きずり込むド外道ぶりこそがチェットの真骨頂ッ!」みたいな。ええ、ひどいんです。

当店に映画のチラシ置いてあります。ご自由にお持ちになってくださいね。『終わりなき闇』も本棚のどこかにありますので、もしご興味あれば。

そしてチェット・ベイカーの映像といえば外せないのが「Chet's Romance」。動画がYouTubeに上がるたびに消されている模様。このリンク先もおそらく数日の命かと。お早めにどうぞ。

それでは、明日こそはみなさまを心よりお待ちしております!