rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

今週の新入荷レコード

3連休初日、みなさまいかがおすごしでしたでしょうか。ニースの次はトルコが燃えて、きな臭いニュースの連続にテレビやパソコンの前に釘付け、という方も多かったかと存じます。一方こちらは連休期間をまるまる使って読みきれるかな、とのんきに構えていた植本一子『かなわない』をまさかの初日読了マジック発動、ある意味大変充実した1日をすごすことができました。えーと、明日とあさって、みなさまよろしくお願い致します。
本日ご来店くださったお客さまにすばらしいことがありますように。

今週の新入荷レコードを失礼します。
普段は夜中に撮影しているレコ集合写真、今日は外が明るいうちに撮ったら(察してください)逆に写りが暗くなりました。わあ、ぼくの気持ちを代弁してくれてるね!

左上:'67年から'68年にかけてのハンプトン・ホーズ放送録音集。伊JOKERレーベル原盤で、国内盤ジャケ制作がK.ABEせんせいとくればなんとなく察しが付きそうなものですが(主に音質面が)、まあこれがまさに予想どおりでちょっと困った。JOKERとMOONの2大怪しげレーベルは今後も極力スルー推奨…なんだけどお値段魅力的だと買っちゃうんだよなあ。心の耳で聴く必要アリです。
中上:ジョアン・グラウアーと聞いて「ああ、MODE盤のアレね」と思ったみなさま、人は変わるものです。レナード・フェザーのご令嬢をゲストボーカルに迎えた'77年録音の本作には20年前の面影はまったくと言っていいほど残っていません。A面は見事に漂白された爽やかフォーキー系エレピ音楽。B面はボーカルを含むブラジリアンフュージョン。シャリコマってます。
右上:先週も登場したフェレ兄弟、今回はベースとドラムを従えてのカルテット作品。前作よりもずっとジャズしてます。中でも聴きモノはA面1曲目、ロリンズ作の「Pent Up House」。アドリブ中にワケが分からなくなってしまった(おそらく)お兄さんが、とりあえずなんでもいいから弦を弾いて演奏をつなげとばかりにハデな手クセを乱発、意味不明な高揚感に満ちあふれた時間が現前します。この1分間こそがジャズだ(ホントかよ)。
左下:リチャード・デイヴィスと区別が付かなくなることで個人的に有名なレジー・ワークマンですが、本作のリーダーはそのレジー・ワークマンと区別が付かなくなることで個人的に有名なレジー・ジョンソン。ベーシストにはリーダー盤を残さない(というか、リーダー盤を録音する機会に恵まれない)人が多いですが、この人も'85年録音のこのアルバムが唯一のリーダー盤なのだそうな。サイドマンでは当時ハタチのテリ・リン・キャリントンの参加が光ります…というか、それ以外誰も知りません。
中左下:今週の新入荷の中ではいちばん有名かもしれない当アルバム、ジャケのオモテ面にデカデカと貼られた「SAMPLE」のシールをキレイにはがせたことがここ最近でいちばんの喜びかもしれません。
中右下:オリバー・ネルソンの編曲をシャープス&フラッツが演奏。以前に別のアルバムで聴いた編曲が使い回されていることが多いのがちょっと残念。しかしこのへん聴くと改めて思うのが、ジョニー・ホッジスの遺作『3 Shades Of Blue』は大名盤だなあ、ということ。ジョニー・ホッジスの最高傑作かどうかは分からないけど、少なくともオリバー・ネルソンの最高傑作ではあると思う。最近3ケタ価格で見かけることが増えて少し切ないです。
右下:この時代のリー・コニッツはまさに10インチ向きの演奏。これでLP片面全部とか、極端な話CD1枚74分とか聴き続けるのはさすがにキツイですよね。甘めのスタンダードも入ってかなり聴きやすいアルバム。

今回の新入荷でストーリーヴィル3部作がそろったのでつい記念撮影を。

さて明日は7月17日、年にいちどの命日イベントの日。当店では普段滅多にかけることのないコルトレーンですが、さすがに明日はちょっと出番を増やしたいと思います。ビリー・ホリデイも然り。ただ所有盤が少ないのであまり活躍させてあげられないですが。
3連休の2日目、どうなることやら…。みなさまのご来店を心よりお待ちしております。