rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

今日、そして昨日

お寒うございます。本日は貴重で希少なご来店まことにありがとうございました。おととい・昨日と続いた梅雨の晴れ間の賑わいも、明け方の土砂降りでまたいつもの6月に逆戻り。今日は主に無人島の警備員として透明化した時間をすごしておりました。パッとしない空模様の中、パッとしない当店においでくださった心優しいお客さまに心からの感謝を捧げます。ありがとうございます。
本日いらしてくださったみなさまにすばらしいことがありますように。

ここまで景気悪い1日をすごした後に、昨日の散財の話を書くのもためらわれる…懺悔の気持ちとともにご報告します。
1週間の断酒期間を終えて迎えた定休日は、前々から気になっていた吉祥寺はハモニカ横丁の高敷居店《ささの葉》さんに意を決してお邪魔してきました。狭い路地のどん突きにあるカウンター8席のみの狭小店。メニューなし・値段なしと極端に難度の高い設定。おまけに開店時間がよく分からない。ネットを見ると「7時から」と書いているところもあれば「7時30分から」と書いているところもある。開店後10分ほどで席が埋まってしまうというので、これは店の前に張ってなきゃいけないんじゃないかというレベル。食べログに「予約あり」とあったので前日夜に電話してみたら「予約しなくても入れますよ」という自信たっぷりのお言葉とともにガシャッと受話器を置かれてしまって、もう何が何やらという感じ(ちょっとMゴコロくすぐられた)。ひとまず7時前にお店に行ってみたら、どう見ても開いてない。人の気配がしない。いちおう、同じ飲食業のはしくれとして「開店前に店の前で張られることのプレッシャー」については些少なりとも存じているつもりなので、あからさまに店の前に立つことはせず、でも入れなかったら悲しいので、10分おきくらいにお店の前まで歩いてはチラ見して引き返す、という、これはこれで店側へのプレッシャーが相当高い行為を繰り返して、順当に7時30分をすぎ、「これはひょっとしたら本日休業ってオチじゃないかな…」と不安になってきたあたりでようやっとお店に電気が点いているのを確認しました。中には店主とおぼしき年配の男性の姿が。「やってますか?」と訊くと「8時すぎになります」とのお返事。そうかそれなら、と近所で時間を潰して、もういいかな? と行ってみたのが8時10分。そしたらすでにほぼ満席。奥の方にまだ入れます、と教えてもらってホッとしつつ、狭いカウンターの先客全員に起立してもらってスイマセン、スイマセンと言いながら後ろをくぐり抜けてやっと席に落ち着いて、そこから先はすばらしい時間でした。

ただ「すばらしい」で終わらせるべきなのでしょうが、ひとつだけ。たまたまほかのお客さまがサーッと引いて、私たち夫婦だけになった時間があったのですが、そのときお酒の力もあって、店主さんと少し突っ込んだ話をさせてもらいました。いろいろためになる話を伺った中で、ちょうど吉祥寺ジャズ喫茶界の雄(というより、吉祥寺飲食業界の雄というべきでしょうか)、故・野口伊織さんに話題が及び、「彼とは飲み仲間だった」という証言からもっと深くを聞き出せるというときに、ああ、今夜2巡目のお客さまがダダダッとおいでになって、お話は芋焼酎お湯割りの湯気とともに消えていってしまったのでした。帰り際に「また楽しいお話しましょう」と言ってもらえて、よーし稼いで次回も行くぞー、と思って、そして今日の売上。…半年以内に行けるかなあ。

ひとまずは平日の営業、いつものように1袋19円の業務スーパーの袋やきそばで食いつないでまいります。
明日もみなさまのご来店を心よりお待ちしております。