rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

今週の新入荷レコード

本日もご来店ありがとうございました。威勢がよかったのは午後の2時間ほどで、残りは終日しんみり展開。真夏日の予報に氷どっさり、アイスコーヒーたっぷり仕込みましたが、そもそも暑すぎるとご来客そのものが冷え込みますよね。普段どおりの準備でよかった。盲点だった。
酷暑の中おいでくださったお客さまにすばらしいことがありますように。
次のAKB総選挙ではあなたが優勝できますように。

今週の新入荷レコードをご紹介します。5枚中3枚がご常連K嶋さまからの戴きもの。アリガトウゴザイマス。

左上:水曜日の妻のブログをご参照ください。ところで「メルドー」というファミリーネーム、カタカナ表記ですとどうしてもフランス語の4文字言葉的な何かを思い浮かべてしまいますが、どうやらネイティブの世界では発音が全然ちがうとのこと。ホッとしつつ、何か残念なような。
中上:今週の戴きもの第1弾。『マイルス・イン・トーキョー』への参加などメインストリーム方面での活躍も見せつつ、実はゴリゴリのフリー戦士でもあるサム・リバースせんせいの、これはかなりメイン寄りのスタンダード作品集。'70年代以降、転向したフリー戦士がたくさんの滋味深いスタンダード曲を録音するようになりますが、このアルバムはそれよりも前、まさにフリージャズのリアルタイムに吹き込まれているところがポイント。「フリー転向派の滋味深いアレ」というと、実はかなりクリシェ化された予測可能な音楽なのですが、よくも悪くもその地平に達していないところが面白い。ハル・ギャルパー、ハービー・ルイス、スティーブ・エリントンというブルーノート人脈を見事に外したサイドの顔ぶれも珍しくてよいです。平均購入価3ケタの当店ではとても手が出せない逸品。
右上:べったり抽象画にモノクロ写真の定型フォーマットでおなじみのFrance's Concertレーベル(Esoldunは別名同レーベルの模様)からの1枚。ダスコにビル・チェイス、サル・ニスティコと錚々たるメンバーを擁した当時のウディ・ハーマン楽団のキレ味鋭い演奏を収録。ちょいと音質が弱いかも。
左下:今週の戴きもの第2弾。自主レーベル《ダフォディル・レコード》設立後、そのカマトト声にますます磨きがかかった、ある意味彼女の最盛期の1枚。絶妙の歌伴ぶりを見せるフィル・ウッズもお見事。平均購入価3ケタの当店ではとても手が出せない逸品。
ブロッサム・ディアリーはある時期を境に自身の声質に極めて自覚的になって、それ以降は自分の声を、ただひたすら声を前面に出していったように思えるのですが、ではその境となる時期はいつなのかというと不勉強で分からず。'63年の『Rootin' Songs』ではまだヴァーヴ期と同じナチュラルな歌い方をしているのが、'67年の『Sweet』(ロニー・スコッツでのライブ録音)になるとすでに「あの歌い方」になっています。MCのしゃべり声さえもあの声。転機となった時期を知りたいものです。
右下:今週の戴きもの第3弾。これについては妻が何か書くべきかもしれませんが…。ジョアン・ジルベルトに次ぐボサノバの「声」といえばカルロス・リラですが(本当かよ)、本作はそんな彼が後にニューエイジ・ミュージックの巨匠となる(そしてクジラとセッションするようになる)ポール・ウィンターと録音した記念碑的な1枚。

かつて自宅の引越しに伴うCD整理の折に、彼(ってカルロス・リラのことです)の初期録音の2in1CDを処分してしまったことが悔やまれる1枚。買い直すかなあ。平均購入価3ケタの当店ではとても手が出せない逸品。
ところでワタクシ、ときどきポール・ウィンタージョニー・ウィンターの区別がつかなくなります。

前日にコンタクトレンズを装着したまま眠ってしまったせいで、今日は1日中左眼の強烈な違和感と闘っていました。閉店後、さすがにいったんレンズを外して、ついでにちょっとだけ仮眠を取ってからブログに取り掛かろうと思ったら現在午前6時。えーと、今日もがんばります。ここでいう「今日」はブログ的には「明日」なのですが、つまり日曜日のみなさまのご来店を心よりお待ちしております!