rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

★今ここにある奇跡

こんにちは。いろいろ綱渡りの店ロンパーチッチです。
この1週間にご来店頂いたすべてのお客様に感謝します。ありがとうございます。

当店のエアコンや給湯器は、前のテナントさんがお使いになっていたものをそのまま継続利用させて頂いているものです。なけなしのお金をはたいてお店を借りた身としては、初期投資額は少しでも少ない方がありがたく、店に備え付けのエアコンから冷風が出て(そのころは夏だったのです)、給湯器につないだ蛇口からお湯が出たときは(このころは秋になっていました)、前のテナントさんと神様、両方に感謝したものです。

さて、そんなありがたいインフラ設備と共にオープンした当店ですが、船出から2週間もしないうちに、いきなり給湯器からお湯が出なくなるというトラブルに見舞われました。給湯器の遠隔スイッチを入れてから1分も経たないうちに温度表示の液晶が消えてしまい、やっと温かくなってきたと思ったお湯が途端に凍るような冷水に早変わり。何度トライしても同じ症状の繰り返し。やむを得ず冷水に手指をさらしてのお仕事となりました。食器洗いをするたびにかじかんだ手に息を吐きかけ、レコードを取り替えようにも指先に感覚が戻らず両手のひらでレコードを持ち上げたまま右往左往。そんな厳しい営業をやりすごした翌日、助けてもらおうと管理会社さんに電話をしたら「すべて現状渡しの契約なので、何もしてあげられません」というお返事。そう言えばそんな契約だったね…。

自力でなんとかするしかない、ということで東京ガスさんにお電話し、作業員さんに来て頂いてチェックしてもらったところ、遠隔スイッチを含めたリモコン機能が寿命でやられてしまっているとのこと。リモコンの交換は2万円。それくらいなら仕方がないか、と思っていると「でもこの給湯器、本体自体が相当古いですから、そっちがダメになっちゃうとリモコン替えてもしょうがないですよ」と言われてしまいました。そ、そうだよね…。聞けば給湯器は1998年製造の10年オーバーの大ベテラン、作業員さんからは「いつ逝ってもおかしくないくらい」とのありがたくないお墨付きまでもらってしまいました。とりあえず冷水地獄はもうカンベンなので、リモコン機能(温度調節機能も含む)をスキップして、お湯を使うときは常に全力のお湯(60℃とかそういうレベル)が出る設定にして、後は蛇口側の操作で水−お湯の配合比を操作してなんとか具合のよいポイントをみつける、という設定にしてもらいました。これなら必要なお金は本日の出張費だけ、後は本体のスタミナが持つ限りがんばってもらう、という結論となり現在に至るのですが、当然のごとく蛇口操作で簡単に「具合のよいポイント」なんて見つかるわけがなく、凍るような水と火傷しそうなお湯、両方に攻め立てられながらの洗い場作業となっております。

そんなこんなで給湯器は早々に黄色信号(赤信号?)が灯っているのですが、もっと怖いのはエアコンです。聞けばこの子も2001年製造の10年選手、ランニングコストとかを考えたら今すぐにでも新品に取り替えた方がよいくらいのレベルなのですが、なんだかビルの構造上室外機がものすごーく遠くに設置してあるらしく、これを取り替えるだけでちょっともう、えーと、お店畳んだ方がいいかしら? というくらいお金がかかるらしい。こ、怖い…。

ただでさえ50年選手のアンプを「見た目がよいから」という理由だけで購入し、案の定オープン直後に異音が出て入院などさせつつも、なんとかだましだまし使い続けながら今に至る、という綱渡り営業ですので、もうホント、店側の人間が言うのもナンですが、今営業できていること自体がちょっとした奇跡だと思っております。

そんな奇跡のお店ロンパーチッチ、明日にでもこの魔法が解けてしまうかもしれませんので、どうぞ今のうちにご来店下さい。
ひょっとしたら、あなたがいらっしゃるそのタイミングで魔法が解ける、そんな貴重な瞬間にめぐり会えるかもしれません(全然うれしくないですね)。