rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

レコ自慢2選

突然降って湧いた祝日、みなさまご来店ありがとうございました。この前“海の日”作ったから今度は“山の日”だってのも、ねえ。そういえば「海ごはん山ごはん」という番組がありました。「笑っていいとも!」の後5分間くらいの、妙に甘酸っぱい番組であった。出演したい。
本日おいでくださったお客さまにすばらしいことがありますように。

今日は新入荷レコから2枚、自慢します!

まずはボビー・スコットのABCパラマウント盤『Scott Free』。いきなり知らない名前だと思いますが、安心してください。私も知りませんでした。
ボビー・スコットは1937年生まれの、いわゆる“神童”系ジャズピアニスト。後のクレイグ・ハンドレー(中古レコ屋のエサ箱常連)だの、一気に時代下ってオースティン・ペラルタだの、現在でいえばジョーイ・アレキサンダーだのといった天才少年の先輩格にあたる人。“神童”のご多分に漏れず、この人もさっさとジャズの世界に見切りをつけて、より実入りのよいポップスのフィールドに身を置くようになり、スタジオミュージシャンやプロデューサーを務める傍ら「蜜の味」や「兄弟の誓い」といったヒット曲を書くソングライターとして名を上げていきます。


若き日のビートルズも歌った「蜜の味」ですが、ここではホリーズのバージョンを。


「兄弟の誓い」も大ヒットしたホリーズのバージョンをどうぞ。

先のアルバムはそんな彼がまだジャズに身を入れていた18歳のときの作品。ノビー・トター(b)とアル・レビット(ds)を従えたトリオ編成でピアノやヴァイブを弾いています。
で、こんな手慣れぬ人物紹介なんかがしたかったんじゃないんです。したかったのは盤自慢。1955年のオリジナルで、バート・ゴールドブラットが手がけたカバーアートが美しいジャケは損傷なくピカピカの状態。録音はヴァン・ゲルダーで、まだハッケンサックの実家の居間で収録していたころのもの。内周部には手書きの刻印が光っています。ABC盤特有の縁のギザギザもしっかり存在。おお、久しぶりに由緒正しいレコードだ。

いちばんの自慢は、このレコードがはっぴゃくえんだったってことです。ちょっと盤ソリあったけど問題なくトレースするし、よい買いものだったと思います。
それで肝心の演奏ですが、えーと、普通でした!
※ボビー・スコットさんのちゃんとした紹介記事はこちらをどうぞ。英語ですが。

お次はカウント・ベイシーの『Count On The Coast Vol.2』。ベイシー楽団が1958年6月から7月にかけて、ロスのクレッセンド・クラブに出演していたときのライブ録音。なぜか1980年代に入ってからスウェーデンのPHONTASTICという会社からバラ3枚組として世に出まして、これはそのうちの2枚目に当たります。それでこのときのライブ盤、なんだかよく分からないけどバケモノみたいに音がよいことで有名になっています。
私がこのレコードを知ったのは、もう何年も前に一関ベイシーにお邪魔して、そのときたしか1泊2日の滞在で計3回通ったのですが、その3回いずれもでこの3枚のどれかが再生されるという稀有なシチュエーションに遭遇したときのこと。まあ一関ベイシーですから何聴いたって音はいいんですけど、それにしてもコレはすごかった。というか、いつ行ってもコレが鳴ってる、というその状況がすごかった。そのとき以来探求盤となったこのシリーズ、『Vol.1』と『Vol.3』は早々に見つけたのですが、そこから『Vol.2』を発見するまでが長かった。その間に私はジャズ喫茶なんてものを始めてしまいました。
先日、渋谷のユニオンで長きにわたる探求盤を無事確保。探している間に相場がずいぶん上がったみたいで、『Vol.1』と『Vol.3』は余裕の3桁プライスだったのですが、今回の『Vol.2』はにせんえん近く。それでも5年以上探してましたからさすがに即買い。ちなみに現場には『Vol.1』から『Vol.3』まですべてが揃っていて、これはダブり覚悟の大人買い発動かな、とも思ったのですがおサイフの都合で断念。
どなたか私の後に残された『Vol.1』と『Vol.3』だけをお買いになって、以前の私のように『Vol.2』探求ジャーニーに漕ぎ出してくれればこれほどの喜びはありません。

せっかくなので集合写真失礼します。

と、今日はこんなところで。こんなアホみたいな自慢話するために睡眠時間割いてブログ書いてる場合ではないのです。分かっているのです。寝て起きます。
明日もみなさまのご来店を心よりお待ちしております。