rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

今週の新入荷レコードと現代詩文庫

お寒うございます。サクラは咲いてからが寒い、というのが例年のジンクスとはいえ今年はちょっとひどいですね。おかげでお店の方もずいぶんと冷え込んでおります。午後のお客さまがお帰りになってから夜のお客さまがいらっしゃるまでのアイドルタイムが長い長い。こんな日にご来店くださった貴重なお客さまに感謝致します。ありがとうございます。
みなさまによいことがありますように。

早速ですが今週の新入荷レコード、ご紹介させて頂きます。

左上:デカ顔ジャケ界を代表するアルバム。やはりLPだとこう、顔のデカさの迫力がちがいますね。「リパブリック讃歌」が入っているレコードにハズレなし、と勝手に思っているのですが、これは恰好の証左となる1枚。よいです。
中上:ヤンシー・キョロシーの'60年代お蔵出し盤。このスペルでどう読めば「ヤンシー・キョロシー」になるのか、その時点でナゾの人。お蔵出しなんかじゃなくて正規のMPS盤がほしいのですが、ぶっ飛びの5桁プライスなので手の出るはずもなく。
右上:スティープルチェイスの国内盤、中でも型番が「RJ」から始まるシリーズは愛せない要素満載なのでできればスルーしたいところですが、あまりに安く見かけたのでつい確保。この内容だったらデンマーク盤で買い直してもいい気がする(ただし3桁で)。
左下:とうとう手を出してしまった学生バンドもの。レーベルがインパルスだし、ジャケットはテカテカだし、お財布に優しいお値段だし、と試しに購入。A面の「オハイオ州立大学ジャズワークショップバンド」の爆音演奏がなかなかに聴かせます。
右下:今週の目玉。よく見かけるけどいつも高くてなかなか手が出せなかった1枚が、セールでお値打ち価格になったところを滑り込みで確保。良盤揃いのブロッサムの中でも極上の部類に入る1枚でした。
少し前にブロッサム・ディアリーのコンプリート宣言をしていたBar Bossaの林さん、つい先日は3000円のレコードを買って怒られた話を書いていましたが、その3000円のレコードってコレのことかな、と想像するのもまた楽しい話であります。

そして今日はもうひとつ。完全に私事の部類に入るのですが、おしらせをさせてください。
長年の友人である(と言っていいのだろうか、よく分からないけどきっと友人なのだろう、というそんな関係)詩人の小笠原鳥類さんが、このたび思潮社の現代詩文庫入りを果たしました。

現代詩文庫って、なんかもっとこう大御所的な人が取り上げられるものだと思ってたんですけど、案外そうでもないのかな。…いや、ちがうな。年齢的にもう取り上げられてもおかしくないところに来てるんだな(若くないんだな)。
恥ずかしながら、私自身はまったく詩情を解さない人間でありまして、それに輪をかけて小笠原鳥類という人の詩が、こう、なんというか、かなり大変なことになっているので、私はこの本を最後まで読み通せる気がまったくしません。しませんが、一読して「これはすごい」というか「これはひどい」というか、何かこう、強烈なものを見てしまった感じは私ふぜいの人間にもビシビシ伝わってきますので、みなさまもある種の怖いもの見たさの感覚で、もし書店などで目に触れましたらお手に取ってページを開いてみてください。当店にもひっそりと置いておきます。そっと手に取って、そっとご覧になって、そっと棚に戻して頂ければ。こちらも一部始終見なかったフリをしますので。
もし万が一、お読みになってハートが震えるようなことがありましたら、(何はともあれお買い上げ頂くとして)ぜひその旨当人に伝えてあげてください。お店で訊いてもらえれば、連絡先くらいはお教えできると思います。

すっかり遅くなりました。今日はこれで失礼します。
明日はお天気崩れるのかな…。諦念の中に僅かな希望を添えて、みなさまのご来店を心よりお待ちしております。