rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

池袋のMPS

本日もご来店ありがとうございました。「永遠の0」なんて言葉が浮かんできてしまいそうな昼間の営業でしたが、そこから奇跡的な追い上げに恵まれて、最後にはなんとか浮かび上がれた1日となりました。
昼間のあまりの閑散ぶりを不憫に思ってお飲みものをお替わりしてくださったお客さまや、いつもよりちょっと奮発したご注文をしてくださったお客さま――いや、それ以前に、そもそも本日ご来店くださったすべてのお客さまに心からのお礼を申し上げます。ありがとうございます。
みなさまにとてもよいことがありますように。

「セールでドカ買いして、普段は片目をつぶってやりすごす」というのがここ数ヶ月における私のレコ買いマナーだったのですが、最近は派手なセールにめぐり合えず、気がつけば手持ちのレコ在庫(購入したものの、まだ店に持ってきてないレコード)が払底の危機。これではイカンと今週はユニオン巡回を強化した生活を送っております。ときあたかもディスクユニオンでは「次回ほかの店舗での買いものが200円OFFになる」という触れこみのラリー・チケットなるクーポンを配布中。わずかな予算の中少しでもコスト削減を図りたいこちらとしては、このクーポンを握りしめてこの店で1枚、あの店で1枚としみったれた猟盤に精を出しております。
かような事情から今週だけですでに数店舗巡っているのですが、今回もやはり池袋店が面白い。新着レコードのエサ箱になぜかSABA/MPSのオリジナル盤が大量放出中。それもあまり話題にならなさそうな、アール・ハインズとかエロル・ガーナーあたりが充実。オイゲン・キケロもたくさん。値段も1000円から2000円くらいで、この手のレコードにしてはお手ごろのような気がします。昔のMPSのレコードって、なんというか手に取ったときの質感がいいんですよね。ジャズレコディガーのみなさまにはぜひ足を運んで頂きたく。
今回はそんな中から引っこ抜いて、早速今週の新入荷にした1枚をご紹介します。

[:W500]
The Saints & Sinners - Sugar (MPS)

写真の左側。1968年録音。ヴィック・ディッケンソンをはじめとする当時のベテラン勢によるトラディショナルジャズ、というとなんとなく演奏の方は想像がつきそうですが、まあぶっちゃけそんな感じです。ただ、さすがMPSだけあって音が非常によい。それから、ジャケットが非常によい。パッと見て「ああ、MPSだなあ」と思わせるこのデザイン。不勉強にして今まで存じ上げなかったのですが、Heinz Bährさんというデザイナーの手によるもの。
パッと思い浮かんだのが写真の右側。サヒブ・シハブの『SEEDS』(オリジナルはとても買えないので、これはイタリアのrearwardによる再発ですが)。調べてみたら、こちらも同じHeinzさんの作品。ほかにも、ドン・チェリーの『永遠のリズム』だとか、クラーク=ボラン楽団の一連の作品なんかを手がけるMPSレーベルの顔的存在だったんですね。
この方の経歴について日本語のサイトで紹介されていないか調べてみたのですが、これといったものがなく。そもそもカタカナで「ハインツ・ベール」で検索するとドイツ空軍の撃墜王なんて人が出てきてしまうのでラチが開かず。もう少し探索の余地がありそう。
ちなみにこのレコード、前述のクーポンを駆使して3桁プライスで購入しました。ほかにもお買い得盤多数残ってるはずですよ。

それでは、今日はこんなところで。
明日も昼間は大草原の小さな店、なのでしょうか。過度の期待は捨てつつ、それでもみなさまのご来店を心よりお待ちしております。