rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

★チャンドる

こんにちは。中野の自称ジャズ喫茶ロンパーチッチです。
昨日に引き続き春を思わせる陽気で(実際に春なのですが)、これだけ暖かいのだからアイスコーヒーのご注文が増えるにちがいない、と普段より多めに準備していたら、アイスコーヒー以前にお客さまがあまりお見えにならない1日となりました。
そんな本日ご来店下さったレアなお客さま、本当にありがとうございました。
みなさまに明日よいことがありますように。
自宅近くの出先から直帰できますように。

たった今までチャンドラーの小説『リトル・シスター』(村上春樹訳)を読んでいました。なんだか読んでいてアタマがこんがらがる話でした。
物語の途中で初出の人物がいきなり登場して、しかもそれまでの展開で読者には紹介済、みたいな扱いがサラッとなされていたり、われらがマーロウが初登場の女性の名前をなぜかすでに知っていたりと、読んでいて「アレ? どこかで読み落としがあったかな?」と不安にさせる要素がてんこ盛りです。

なんだか釈然としないまま本文を読み終わり、訳者あとがきを読むと「プロットにいささかの無理がある」けど「チャンドラーの小説とはもともとそういうものなのだ、とある程度覚悟して読んでいただくしかない」なんて書かれていて、うわあ、そうきたか。
明らかにおかしい部分の実例も書かれていて、「本来ならこういう矛盾点は編集者がチェックして指摘するべきなのだが、チャンドラーの小説の編集・校正はかなりあらっぽいことで知られている」なんて書かれていて、自分の読み落としを疑いつつ、記憶力減退の恐怖に震えながらページを繰っていたオレの不安を返せ、という気持ちが湧いてきたり。
未読ですが、創元推理文庫の清水訳(『かわいい女』)では、そういう矛盾点を訳者がうまいこと処理してくれているのかもしれません。でも村上訳は原文忠実にこだわっているようで、「矛盾のある原文を矛盾のあるまま翻訳する」というのはそれはそれで清々しいのかもしれません。読む方はつらいですが。

さて、眠さのあまり何を書いているのか自分でも分からなくなってきました。
明日もみなさまのご来店を心よりお待ちしております。