rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

英語圏のポピュラーソングにおけるジェンダーについて考察、即挫折

花粉がトビチリソースの本日、みなさまご来店ありがとうございました。思いがけずお客さまに恵まれまして、これはおそらく明日のお客さまの前借りなのでしょうが、ここはポジティブに昨日のお客さまが1日遅れでいらしたのだと思い込むことにします。みなさま、改めてありがとうございます。
ただ、好事魔多しというやつで、開店からおよそ1時間にわたって左側のスピーカーから音が出ていなかった…。アンプの接触が微妙なところでこちらの注意力不足が重なると悪いことが起こりますね。大変失礼しました。今後はこのようなことがないように注意するつもりですが、もし店内で音に明らかな違和感をお感じになった場合は遠慮なくおっしゃってください。おそらくこちらのミスです。私という人間の狭量さからして「音が変だよ」というご指摘に対してはまずまちがいなく厭そうな顔をすると思いますが、えーと、そこをなんとか。私たちのためにも、どうかよろしくお願いします。
ゴチャゴチャ書きましたが、本日いらしてくださったお客さまによいことがありますように。

クリス・コナーが歌う「Hallelujah, I love Him So」を聴きながらふと思うのです。これって元ネタはレイ・チャールズの「Hallelujah, I love Her So」だよな。なんでわざわざ「Her」を「Him」に替えるんだろう?


(悪名高いステレオ感をお楽しみください)

ほかにも、たとえば「イパネマの娘」を女性ボーカルが歌うときは、まずまちがいなく「The Boy From Ipanema」というふうに「Girl」を「Boy」に替えてしまいますよね。あれなぜなんだろう?
日本だと、女性の歌を男性が歌ったり、その逆だったりということは頻繁にありますよね。えーと、吉幾三の「雪国」だったり、イルカの「なごり雪」だったり。あと最近のAKBとかは一人称が片っぱしから「僕」らしい(よく知らない)。
それに、もともと男性が歌う男性の歌を、そのまま女性がカバーすることや、その逆も普通ですよね。たとえば、えーと、小泉今日子の「学園天国」だったり、松崎しげるの「グッド・バイ・マイ・ラブ」だったり。そしてそんなとき、歌い手の性別に合わせて歌の中の登場人物の性別を替えてしまうことなんてまずありませんよね。仮に氷川きよしが「天城越え」をカバーするとして、やっぱり♪あなたを殺していいですか、になるのが普通だと思います。
でも英語の歌だと性別って替わっちゃうんですね。さっきの「ハレルヤ」のほかにも、たとえばバカラックの「This Guy's In Love With You」は「This Girl's In Love With You」になってしまうし。

と、そんなことを思いながら「英語のポピュラーソングにおける性別の変更」という漠然としすぎた検索ワードでGoogleせんせいにお伺いをたててみたらなんか出てきた。しかもPDFファイルの論文。タイトルが「英語圏のバラッド歌唱におけるジェンダー交差について」ですって。わあ。

https://www.seitoku.ac.jp/daigaku/music/bltn/bltn12/takamatsu12.pdf

私の疑問は最初の方でサラッと書いてありました。ものすごく乱暴に引用すると「歌の歌詞中の主体と歌い手のジェンダーが一致しない状態」は「英米語のポピュラーソングには通常見られない」し、その状態を「回避するためならばわずかな歌詞の変更は厭わない」。「それだけ忌避されているとも言える」ということらしいです。うーむ。

じゃあその場合、わずかな歌詞の変更程度ではどうしようもないような、完全に女おんなした曲とか、逆に思いっきりマッチョな曲なんかは、異性の歌手はカバーできないということになるのでしょうか。たとえば、えーと、「Guess Who I Saw Today?」という、もうどうしようもない不倫発見ソングがあるのですが、これなんか男が歌うことは絶対に不可能なのでしょうか。


ツイッギーさんが歌います。

と、ここまで書いて、この話題を抱えきれなくなっている自分に気がつきました。
えーと、このまま投げっぱなしで失礼してよろしいでしょうか?

明日もがんばって働かせて頂きます。花粉みなぎる最中とは存じますが、よろしければ当店に足をお運びくだされば幸いです。
みなさまのご来店を心よりお待ちしております。