rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

★なぜ読書感想文なんて書いているのか

こんにちは。中野の自称ジャズ喫茶ロンパーチッチです。
夜が更けるにつれてぽつねん度合が深まっていく本日でしたが、それでもご来店下さったお客さまのおかげでなんとか1日を乗り切ることができました。ありがとうございました。
明日、みなさまによいことがありますように。
ヤン坊とマー坊の見分け方を周りの人に説明して、お昼休みの人気者になれますように。

雪が不発だった(営業的にも一瞬の閃光のようなピーク時を除いて不発だった)昨日のうちに読み終えてしまった『商店街はなぜ滅びるのか』、とてもよい本でした。

基本的には学術論文なのですが、後半で著者のバックボーンが突如明かされる一節があります。そこから文章は静かな熱を帯び始め、それまで淡々と文字を追っていた読者も不意に胸のざわめきを覚えるようになります。次第に感傷の度合いを高めながらも、表面上は努めて冷静さを装ったまま論述は続けられ、著者は「学術論文」の体を崩さぬまま本文を書き終えます。で、その後にくる「あとがき」がすごい。怒涛の自分語り。沁みます。

商店街ってなんとなく残念な感じだよなあ、という漠然とした思いをお持ちの人は、この本をお読みになると「具体的にどこが残念なのか」「なぜ残念になってしまったのか」というあたりがスッと頭に入ってくると思います。
「どうすれば残念じゃなくなるのか」という部分については弱い気がしますが、でもそんなことどうだっていいくらい心に突き刺さってくる本です。最近「突き刺さる」系の本にめっぽう弱いので、これはよくない傾向かもしれない、と自分で思います。

なんだかえらそうな評論家先生になってしまいました。ごめんなさい。
明日もみなさまのご来店を心よりお待ち申し上げます。