rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

今週の新入荷レコードなど

本日もご来店ありがとうございました。忙しくさせて頂いたお昼どきから一転、午後からの長い長いアイドルタイムで身も心もグズグズに。それでも夜に入って若干盛り返しまして、終わってみればなんとか生きていける数字になってくれました。梅雨入り前の貴重な週末、おいでくださったお客さまに感謝致します。ありがとうございます。
みなさまによいことがありますように。

今週の新入荷レコードをご紹介します。思いのほか良作ぞろい。

左上:キース・ジャレットの珍盤にして、おそらく当人にとっては黒歴史盤。ハーモニカやアコギ、リコーダーのサウンドをバックにボブ・ディランになりきったキースが味わい満点の歌声を聴かせる全10曲。バックの楽器演奏はすべて本人の手による多重録音という妙なオマケつき(弦楽合奏のみ別人とのこと)。キースの音楽はフォークロック調だと常々思っていたけど、まさかここまでベタにフォークロックやっているとは。ちなみに荻窪《月光社》さんでの収穫でした。
中上:アーチー・シェップの生涯ベストはこのアルバムを含む伊HOROレーベルへの吹き込みではないかと。本作も「ちょっとフリークトーンの入ったどっしり主流派ジャズ」という使い勝手のよい1枚。戦闘意欲を失った前衛闘士が職業的誠実さだけを支えに仕上げた佳作、という塩梅になっております。ギターのイリオ・デ・パウラがこれまたいい仕事してます。
右上:今週の「誰やねん盤」にして「思わぬ拾いもの盤」。リーダーのディック・メルドニアンなる人のことは不勉強にして全然知らず、ただプログレッシブのDSMカバージャケが思いのほか安かった、という理由だけで購入したのですが、これがどうして、なかなか聴かせます。基本的には鷹揚にスウィングする人ですが、アルバムの中では「The Sidewinder」や「Freedom Jazz Dance」といったちょいとトバした曲もやっていて、こいつらをまた鷹揚に吹きこなすんですよ。いい感じのワンホーンアルバム。
左下:今さらの有名盤。この『オペラハウス』は同名のレコードでモノラル盤とステレオ盤の2種類があり、いずれも収録曲こそいっしょだけど演奏内容が全然ちがう、ということは知っていたのです。ついでに「モノラル盤の方がずっとよい」という評判も知っていたのです。でも店を始める前からステレオ盤を所有していたせいで、モノラル盤にまで手を出す必要はないよな、と思っていた次第。このたびついうっかり買ってしまったモノラル盤ですが、一聴した結果ステレオ盤は2度と聴かないだろうと判断。翌日にはステレオ盤はドナドナドーナと売られていきました。
中下:ジャズ批評ブックス『女性ジャズ・ヴォーカル入門』にてひたすら持ち上げられていた1枚。同記事にて2番手扱いされている『LIVE』というアルバムは以前から気に入っていたので、こちらもずっと目の端で探していたのです。今回晴れて手の届くプライスでみつかって喜び勇んで聴いてみたらば、うーむ。これは英語が理解できる人がMCを楽しむアルバムなのではないだろうか。デラさんの煽りまくったMCにゲラゲラ笑う観客の楽しそうな様子が伝わってくると、英語に弱い自分はなんとなく疎外感。ただ、振りきれるほどソウルフルな歌声はやっぱりすばらしいです。
右下:写真微妙に見切れてますが、東宝レコードの『八城一夫の世界』というアルバムです。えーと、よいです。

コメント厚めにしてみたら疲れました。慣れないことはするもんじゃない、と後悔したところで今日は失礼致します。
すでにポツポツ降っております。明日は気温がグッと下がるとか。風邪など召されぬよう、お気をつけくださいね。
日曜日もみなさまのご来店を心よりお待ちしております。

まったく関係ない話ですが、あみんの「待つわ」ってサビの部分が完全にレゲエですね。ビックリした。