rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

今週の新入荷レコードと本の開放について

大型連休の陰に隠れてうっかり忘れてしまいそうになりますが、今日が4月の最終日。月度売上確定前に滑り込みでのご来店、まことにありがとうございました。昨日とは打って変わってしんみり・まったりの当店おなじみ必敗パターン。一時はこのまま沈没して果てるのかとあきらめムードも漂いましたが、夜に入ってからのお客さまによる過分なお心遣い(婉曲表現)のおかげでなんとか体裁を保って終わることができました。改めて、ありがとうございました。
本日ご来店くださったお客さまによいことがありますように。

今週の新入荷レコードをご紹介します。

左上:ピアノトリオにチャカポコの入ったエロル・ガーナー'72年のMPS作品。予想どおりの音のよさと予想外のサーサーノイズ。盤面見たら豪快にビニ焼けしててギャフン。
中上:コンテ・カンドリとフランク・ロソリーノ、ふたりのイタリア系アメリカ人によるイタリア録音のアメリカ盤。ふたりのシュビドゥバ・スキャットが炸裂するA面2曲目のタイトル曲が圧倒的にキャッチーです。えーと、ほかは普通。
右上:Cobblestone盤『The Gap Sealer』のミューズによるリイシュー盤。もともとハズレのない人ですが、その中でもベストを争う出色の出来栄え。
左下:やっと折り合いのつく値段で見つけられたローランド・カークの名ライブ盤。すばらしい。『Vol.2』も入手済、来週あたり登場します。
中下:東芝EMIの手によるパシフィックの再発盤。テカテカのコーティングジャケットが驚きの価格で手に入ることがあり、どうしても素通りできずに買ってしまう、そんな1枚。
右下:今週のペーター・ハーボルツハイマー2枚。ビッグバンドによるビバップ名曲集その1とその2、なのですが「その1」がすごい、悪い意味で。ビバップの名曲をアーバンなフュージョンのマナーで見事に料理。職業アレンジャーの本領発揮ですね。ハッキリ言って聴いててツライ。


※「その1」の1曲目。これしかYouTubeに上がってなかった。ほかの曲はもっとすごいんだけどなあ…。

「その1」が未体験ゾーンだったのでものすごく警戒して聴いた「その2」でしたが、こっちは正統派の直球勝負。なんだよ全部こっちでやってくれよ。ペーターさんの真価は「その1」なんでしょうけど、お店としてはちょっと…(「その2」しかかけません)。

次に本の話を。
再読が終わるまで店頭に出さず、自分ひとりでガメていようと思っていた『東京レコ屋ヒストリー』ですが、先日のブログをお読みになったお客さまからの要望多数(というか2件)で早々に店頭に開放することにしました。私は夜中に自宅に持ち帰って酔っぱらいながら読むことにします(もともとそうしてました。だから表紙カバーめくるとすごく汚れてます)。
しつこいようですがすばらしい本です。「地下の狭小店」こと渋谷の名店《discland JARO》の店主さんも大フィーチャー。なんで「JARO」って店名なの? というおそらく面と向かっては怖くてとても訊けない質問が載っていて、なんと答えが出ています。それも思いもよらない回答が。店名に歴史あり。それからえーと、この本を読むとレコ屋の均一コーナーで無意識のうちに「テレサ・テン」の名前を探すようになります。理由は本文に。
ちょっと独特の文体で、叙情に走りすぎた結果主語や目的語が欠落して読者を戸惑わせるような書き方がチラホラと見受けられるのですが、そこは読み手の愛情でカバーできるはず。まずはお手にとってみてください。

えーと、ほかにも書くことあった気がしましたが力尽きました。
明日もみなさまのご来店を心よりお待ちしております。あさっては定休日を頂くので、ご都合よろしければ明日のうちにぜひ。よろしくお願いします!