rompercicci::diary

東京中野にあるコーヒーお酒ジャズのお店ロンパーチッチ

★ぼくたちには陰謀論が必要なんだ

こんにちは。中野の自称ジャズ喫茶ロンパーチッチです。
ご来店下さったすべてのお客さまに感謝します。ありがとうございます。

それにしても寒いですね。こんなことばかり書いていて申しわけないのですが、本日の当店、営業の方もまた一段と冷え込んでおります。
「この水差しの水、ひょっとして全部溶けた製氷機の氷なんじゃないの?」とか(あまりに疑わしくて、今日は3回全交換しました)、「もう誰もいらっしゃらないんだからエアコン止めてダウン着て店番しようか」とか(さすがにそれはやりませんでした)、そんな寂しい1日が終わると、決まって店員夫婦の間で犯人探しが始まります。
いったい何が原因で、ロンパーチッチの今日はこんなにダメだったのだろうか?

「昨日書いたブログがまずかったんじゃないか」というのがいちばん最初に出てきます。
営業終了後に注意力散漫となった脳みそで書き散らしている駄文の中で、それと気づかず読んだ方がカチンとくるような不注意なひとことを漏らしてしまったのではないか。いや、それ以前にそもそも内容がつまらなすぎて、お義理で読んで下さっていた方たちがウンザリしてしまい、ウンザリついでにご来店になるのもやめてしまったのではないか。
…自意識過剰もいいところですが、最近の私たちが「毎日必ず結果を出していること」といえばブログくらいしかないわけで、その上、自分たちが毎日書き散らしている文章のクオリティの低さにいちばんウンザリしているのが当の自分たち自身ということもあり、なんというか、ブログは私たちにとって「犯人に最適」ということになりがちです。

自分たちのブログをひとくさりこき下ろした後は、お互いが相手の勤務態度を攻撃する時間に移ります。やれ「カウンターの奥で携帯をいじっているのがバレたからだ」とか、「誰もいないからといって客席に座って雑誌を読んでいるのがまずかった」とか、そんな低レベルな争いが繰り広げられます。

店員両名による相手へのダメ出し(夫婦ゲンカともいう)が一段落すると、話が一瞬だけ本質をかすめます。
「そもそもこの店が飽きられてしまったのではないか」という話題が、ほんの刹那、お互いの口の端を漂って、すぐに消えます。あまりに本質的で、致命的な話題なので、この話をふたりともすぐ「なかったこと」にします。このへんの呼吸は夫婦生活で培われた機微と言えるかもしれません。

そして、最後に消火活動が行われます。このとき便利なのが、タイトルにも挙げた陰謀論です。もちろん国家レベルの話ではないので、諜報機関とかフリーメイソンとかは出てきません。
「よその商店さんが私たちのことを嫌っていて、あの店には行かないように、とみんなに言って回っているのかもしれない」とか「タウン誌への広告掲載を断ったから、なんらかのかたちで報復が行われているのかもしれない」とか、そういった荒唐無稽な話で私たちは自分たちの心にひとまずの区切りをつけて、心安らかとはいかないまでも眠りにつくのです。

そして、私たちに心安らかな眠りが訪れるのは、いつだってお客さまが当店においで下さったときなのです。
…と、むりやりまとめた感じで本日の投稿とさせて頂きます。
みなさまのご来店を心より(本当に!)お待ちしております。